米議会唯一のパレスチナ系女性議員に問責決議案、イスラエル批判理由に
(CNN) 米下院で7日、パレスチナ系のラシダ・タリーブ議員(民主党)がイスラエルを批判した発言をめぐる問責決議案が提出され、8日に採決が行われる見通しとなった。
タリーブ氏は米議会初のパレスチナ系女性議員。決議案をめぐる審議の中で改めてパレスチナ支持を訴え、「こんなことを言わなければならないとは信じ難いのですが、パレスチナの人々は消耗品ではありません」と発言して言葉を詰まらせた。
同僚議員が立ち上がってタリーブ議員の肩に手を置き、長い沈黙を経て落ち着きを取り戻したタリーブ議員は「私たちは人間です。皆さんと同じように」と続けた。
「(自身の祖母も)ほかの全てのパレスチナ人と同じように、ただ当たり前の自由と尊厳を持って生きたいだけなのです」
「私にとっては、パレスチナの子どもが泣き叫ぶ声もイスラエルの子どもが泣き叫ぶ声も同じように聞こえます。なぜパレスチナの子どもの泣き叫ぶ声が、皆さんには違って聞こえるのか分かりません。私たちは共通する人間性を失ってはなりません」
そう語ったタリーブ議員は「私は沈黙しません。自分の言葉をゆがめさせません」「私に嫌がらせしようとしたり、検閲しようとしたりしても無駄です」と力を込めた。
その上で、イスラエル政府に対する批判を反ユダヤ主義と混同してはならないと論じ、「どんな政府も批判を免れることはできません。イスラエル政府批判を反ユダヤ主義とする考え方は非常に危険な前例になります。それは我が国の全土で人権を訴える多様な声を黙らせるために利用されてきました」と指摘した。
これに対し、米下院共和党でユダヤ系のマックス・ミラー議員は「反ユダヤ発言や憎悪に満ちた言動を繰り返してきたご婦人には、問責決議がふさわしい」とタリーブ議員を攻撃した。