米政権、イスラエルはガザ再占領すべきでないと警告 ネタニヤフ氏の発言受け
ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスは7日、イスラエルが戦後「無期限で」パレスチナ自治区ガザ地区の「安全保障全般に責任」を持つと述べたネタニヤフ首相の発言を受け、イスラエル軍はガザ地区を再占領すべきではないとの考えを示した。
米国家安全保障会議のカービー報道官はCNNの番組で「大統領は依然、イスラエル軍によるガザ再占領は良くないと考えている。イスラエルにとっても、イスラエル国民にとっても良くない」と指摘した。
そのうえで「ブリンケン国務長官が中東で行っている協議のひとつが『紛争後のガザはどうなるのか。ガザの統治はどうなるのか』という問題だ」と説明。どうなるにせよ、ハマスが統治していた10月6日の状態に戻ることがあってはならないとの認識を示した。
これに先立ちネタニヤフ氏は11月6日、米ABCニュースの番組で、ガザは「ハマスのやり方の継続を望まない者」によって統治されるべきだとの認識を示し、「イスラエルが無期限で安全保障全般に責任を持つことになると思う。イスラエルが責任を持たない時にどうなるかを我々は目の当たりにしたからだ」と述べていた。
ネタニヤフ氏がガザの戦後構想について言及したのはほぼ初めてで、ガザの将来を巡るバイデン氏自身の発言を含め、米国とは異なる見解をイスラエルが持っていることがうかがえる。
バイデン氏は米CBSテレビとの先月のインタビューで、イスラエルがガザを占領すれば「大きな過ち」になると発言。イスラエルのヘルツォグ駐米大使は当時、CNNに対し、紛争終結後にガザを占領する意図はないと述べていた。
衝突が続く中、米国とイスラエルの間には他にも鋭い亀裂が生じている。ブリンケン氏は先週、イスラエルに対し、人質および民間人のガザ退避や物資搬入を可能にする「人道的休止」を要請したものの、これはネタニヤフ氏から反発を招く結果になった。