米FBI長官、新たな本部移転先に異議 選考で利益相反を懸念
(CNN) 米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は16日までに、FBIの新たな本部の移転先としてメリーランド州グリーンベルトを推した米政府の一般調達局(GSA)の決定に「公正さと透明さ」が欠けると異議を申し立てた。
FBI職員宛ての伝達事項で長官は、バージニア州スプリングフィールドを選んでいた3人からなる委員会の全会一致の決定を覆したGSA上位幹部の判断への疑念を表明。
この幹部は以前、メリーランド州の移転地で土地を所有する首都ワシントンの首都圏交通局で職を得ていたとし、潜在的な利益相反への危惧を抱いているとした。過去2カ月間にわたりGSA側とこの問題で折衝したが、依然解決していないとも述べた。
GSAは最近、スプリングフィールドの広さ約61エーカーの敷地を移転地として決定。経費の面で納税者への負担も最も少なく、FBI職員らの移動手段も最も優れているなどの理由を示していた。
GSAのカーナハン長官はレイ長官の発言などを受け、不適切な干渉があったとの示唆は根拠が一切ないと反発する声明を発表。両機関間の数カ月に及ぶ協力関係に触れながらも、「レイ氏の言動に正確でない内容があることに失望している」と応じた。
一方で、バージニア州のヤンキン知事や州議会の代表団は声明で、スプリングフィールドが外れた選定結果への不満を表明。GSAとFBIの専門家3人で組織する委員会は同地が最適の地と結論づけてもいたとの既成事実を主張した。
ホワイトハウスの報道担当者は今回の問題について、「選考の過程は公正だったし、透明だった」とも評した。