バイデン氏、トランプ氏の「寄生虫」発言を攻撃 ナチスの言説になぞらえ
(CNN) 米国のバイデン大統領は16日までに、自身の大統領選を支援する寄付者たちに向けた発言の中で、来年の本選で対決する公算の大きいトランプ前大統領がナチスと似通った言説を用いていると指摘した。もしトランプ氏が再び大統領になれば、その地位を利用して「復讐(ふくしゅう)と報復」を行うだろうとも警告した。
代表取材で報じられたところによると、バイデン氏は14日、サンフランシスコで寄付者らに対し「ドナルド・トランプに反対する理由は数多く存在する」と述べ、大統領になるべきではない人物だと強調した。
その上で、自らの政敵を「寄生虫」と評したトランプ氏の最近の発言に言及。これをかつてのナチスの用語になぞらえた。バイデン氏によれば「寄生虫」の語は特定の意味を持ち、1930年代のナチスドイツが用いていたという。
共和党の大統領選立候補者の中で支持率トップに立つトランプ氏は先週末、ニューハンプシャー州での演説で聴衆に向け、「我々は共産主義者やマルクス主義者、ファシスト、急進左派といった悪党を根絶やしにする。彼らは寄生虫のように我が国の領土内で生活している」と発言。「本当の脅威をもたらすのは急進右派ではなく急進左派だ。脅威は日々増大している」と警鐘を鳴らしていた。
バイデン氏はまた、不法移民に関するトランプ氏の最近の言説にも触れた。トランプ氏は不法移民が「我が国の血を汚している」と述べていた。
「この発言もやはり、ナチスドイツが使った言説と同じ響きを持つ」(バイデン氏)
このほか、ペロシ前下院議長の夫のポール氏に言葉の攻撃を浴びせたことでもトランプ氏を非難した。ポール氏は昨年サンフランシスコの自宅で男に襲われた事件の裁判で今週出廷し、襲撃の詳細について初めて公に語っていた。
「この数週間で一度ならず、彼(トランプ氏)はナンシー・ペロシ氏の夫に対する襲撃について冗談を言った」「米国に政治的暴力がはびこる場所は存在しない」(バイデン氏)