全米ライフル協会トップが辞任表明、民事裁判の開始を数日後に控え
(CNN) 米国の銃ロビー団体「全米ライフル協会(NRA)」を率いるウェイン・ラピエール氏が5日、民事裁判の開始を数日後に控える中で辞任を表明した。ラピエール氏は銃所持の権利を認めた憲法修正第2条の熱烈な支持者として知られ、銃の所有者やメーカーを擁護してきた。
NRAの声明によると、ラピエール氏は1月31日付で副会長と最高経営責任者(CEO)を退く。
NRAの役員で運営全般を取り仕切るアンドリュー・アルラナンダム氏が暫定CEO兼副会長に就任するという。
ラピエール氏はNRAの声明で「我々が達成した全てのことへの誇りを胸に、私は辞任を表明する」と説明。「私は成人してからほぼずっと、この組織の正式会員であり続けてきた。今後もNRAの支持と憲法修正第2条を守る闘いを決してやめない」などと述べた。
NRAによると、ラピエール氏は健康上の理由を挙げた。NRAのチャールズ・コットン会長がラピエール氏の辞任を受理したという。
ニューヨーク州のジェームズ司法長官は2020年、非営利団体関係の法令違反や税逃れ、数百万ドルの私的流用があったとして、NRAの解散を求める訴訟を起こしていた。
州司法長官室の報道官はCNNに対し、ニューヨーク州の裁判所で8日に裁判が始まる予定に変更はないと確認した。ラピエール氏は今週、陪審選定の手続きに参加しており、裁判は6~8週間続くとみられている。
NRAは創設から100年間はおおむね非党派的な立場を保ち、一部の銃規制を支持していた。しかし1970年代、連邦の銃規制に反対するロビー活動を開始。共和党を中心とする保守派の間に強力な支持者を獲得した。
組織としては停滞しているものの、NRAの力は依然として共和党内に残っており、共和党指導部はほぼ完全にNRAと足並みをそろえている。