トランプ氏訴追の検事、愛人を特別検察官に任命か 疑惑受け裁判所で証言

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愛人を特別検察官に任命したとの疑惑について、ウィリス検事が裁判所で証言した/Pool

愛人を特別検察官に任命したとの疑惑について、ウィリス検事が裁判所で証言した/Pool

(CNN) 2020年米大統領選の南部ジョージア州での選挙に干渉しようとしたとしてトランプ前大統領と14人の同調者が訴えられた裁判が15日、驚くべき展開を見せた。検察側のトップ2人が自分たちの恋愛関係について宣誓証言を行ったのだ。両者は私的な金銭のやり取りを行っていたと告発されており、選挙干渉の訴訟自体が頓挫する可能性もある。

スコット・マカフィー判事が担当したこの日の審理は、トランプ氏の共同被告の一部が同州フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事とネーサン・ウェード特別検察官の関係について告発したのをきっかけに開かれた。ウェード特別検察官は21年にウィリス検事により任命され、検察チームに加わった。

トランプ氏と共同被告らは判事に対し、ウィリス氏のチームから当該の裁判に関わる資格を剥奪(はくだつ)するか、起訴自体を取り消すよう求めている。利益相反の可能性があるというのがその理由だ。

自身の信用を失う危機に陥ったウィリス氏だが、証言台では証人というより検事のように振る舞った。被告らを代表する弁護側の主張にうそがあると指摘し、裁かれるのは自分ではなく、20年の選挙を盗もうとした人物たちの方だと強調した。

一方のウェード氏は、裁判所に提出した宣誓供述書で主張した通り、ウィリス氏との恋愛関係は22年前半に始まったと証言した。旅行や休暇の費用は2人で折半していたとした。

しかしフルトン郡の職員でウィリス氏の友人だったロビン・ブライアントイヤーティー氏はこの主張に反論。ウィリス氏とウェード氏の関係は「疑いなく」19年後半に始まっていたと証言した。事実であれば、トランプ氏の選挙介入の調査でウィリス氏がウェード氏を任命した21年後半より前ということになる。

ブライアントイヤーティー氏は、ウィリス氏とウェード氏の間で22年以前から抱擁やキスといった愛情のこもった行動が見られたと証言。20年と21年にはウィリス氏本人からウェード氏と交際していると告げられたとも述べた。

ウェード氏は前の妻との結婚は15年から破たんしていると証言。「関係を持つのは自由な立場だった」と述べた。

同氏のクレジットカード請求書によると、ウェード氏はウィリス氏と訪れたサンフランシスコ、マイアミへの飛行機代を支払っている。2人はベリーズやバハマ、カリブ海でのクルーズにも数回出かけて贅沢(ぜいたく)な時間を過ごしている。

ウィリス氏と休暇に出かけた際、同氏の旅費を支払ったのかと問われたウェード氏は、ウィリス氏が自身に対して飛行機代を「現金で」払い戻したと答えた。休暇という形でウィリス氏に事実上のリベートを渡していたのではないかとの弁護側の主張に対しては、全ての旅費の払い戻しについて領収書は発行しなかったと反論した。

ウィリス氏とウェード氏は共に、自分たちの関係は23年の夏に終わったと述べた。

15日の審理で起きたいかなることも、トランプ氏並びに共同被告に対する訴追には影響を及ぼしていない。それでもそこでのやり取りにより、トランプ氏の訴訟は一時的に話題の中心から外れることになった。

審理は16日にも続き、ウィリス氏はなおも証言に立つ予定。マカフィー判事は、16日には判断を下さないつもりだと明らかにしている。

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