トランプ氏の免責特権認めない判断、本人が最高裁に停止を要請
(CNN) 米国のトランプ前大統領は12日、2020年の大統領選の結果を覆そうとしたとして起訴された件について、大統領の免責特権は適用されないとした連邦控訴裁の判断に連邦最高裁が介入するよう求めた。2期目の大統領就任を目指す選挙活動を台無しにしかねない問題の解決に向け、最高裁判事らにまたも圧力をかけた形だ。
トランプ氏は最高裁に対し、米首都ワシントンの連邦控訴裁が先週下した自身の免責特権を認めないとする痛烈かつ全会一致の判断を一時停止するよう要請した。
トランプ氏の弁護士らは要請文書の中で、「選挙期間の真っただ中に数カ月に及ぶ刑事裁判を実施するのは、トランプ大統領がバイデン大統領に対する選挙活動を展開する能力を根本的に阻害することになる」と主張した。
その上で、控訴裁の判断は合衆国憲法で定められた言論の自由にまつわるトランプ氏並びに数千万人の有権者の利益を即時かつ取り返しのつかない形で傷つける恐れがあると警告。「有権者らにはトランプ氏が選挙で発するメッセージを聞く権利がある。それを踏まえて彼らは11月の大統領選で自分たちの投票先を決定する」と指摘した。
この4日前、最高裁はトランプ氏を投票用紙から除外するとしたコロラド州最高裁の判断について、これを受け入れずに同氏の出馬資格を支持する構えを示した。コロラド州最高裁は、2021年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件の際にトランプ氏の取った行動を根拠とし、同氏の出馬資格を認めない判断を下していた。