米NY州裁判所、トランプ氏側に530億円の支払い命令 民事詐欺訴訟
(CNN) 米ニューヨーク州の裁判所は16日、トランプ前米大統領が自らの不動産の価値を不当に水増しして利益を得ていたとして、3億5500万ドル(約530億円)の支払いを命じる判決を下した。
女性作家ジーン・キャロルさんへの名誉毀損(きそん)で8300万ドルの損害賠償を命じた評決と合わせ、トランプ氏はここ4週間で約4億3800万ドルの支払いを命じられたことになる。
今回の判決はトランプ氏に対する民事訴訟がいかに大きな打撃を与え、同氏のビジネス帝国を危機に陥れるかを浮き彫りにした。トランプ氏は刑事訴訟の公判4件にも直面しており、来月には最初の公判が始まる予定だ。
判事は詐欺や共謀、虚偽の財務諸表や事業記録の発行についてトランプ氏に責任があると認定し、今後3年間ニューヨーク州の企業で役員に就くことを禁じた。
トランプ氏一族が経営する「トランプ・オーガニゼーション」の完全解体には踏み込まなかったものの、93ページの痛烈な意見書を提出。トランプ氏には反省の色が見られず、再び詐欺に及ぶ可能性が高いと断じた。
判事はトランプ氏や他の被告について、「悔恨や反省のなさはほとんど病的な域に達している」と記している。
ニューヨーク州のジェームズ司法長官は判事に対し、トランプ氏らが財務諸表上で資産価値を水増しする詐欺スキームに長年関わっていたとして、3億7000万ドルの支払いを命じるよう求めていた。
判決の額はこれに非常に近いものだった。判事は被告らが詐欺により約1億6800万ドル分の利息を節約したと認定。トランプ氏と関係企業にこの分の支払いを命じた。
判事はトランプ氏が利息を支払う必要があるとの見方も示しており、最終的に求められる支払額は1億ドル増える可能性がある。
弁護チームは既に、トランプ氏を詐欺で有責と認めた略式判決について上訴している。今回の判決についても上訴する方針。