米、ガザに新たな物資投下 効果に疑問も
(CNN) 米中央軍は9日、パレスチナ自治区ガザ地区北部の上空から新たに食料や水を投下したと発表した。物資の空中投下に対しては、効果を疑問視する声も上がっている。
中央軍の発表によると、この日は食料4万1400食分あまりと水のボトル2万3000本が投下された。
ガザ地区では人道危機が深刻化し、栄養失調による死者も報告されている。
バイデン米大統領は先日、ガザ地区への物資搬入を促進するために新たな港を建設する計画も発表した。
一方、現地で活動する人道団体からは、イスラエルがガザへの物資搬入を厳しく制限し続ける限り、米国の支援努力に十分な効果は見込めないとの批判が出ている。
8日には、空中投下のパラシュートの不具合で5人の死者が出た。
紛争地への空中投下は陸路での搬入と違い、検問所で厳しい検査を受けることなく物資を迅速に届けられるという利点がある。
だが国連によると、陸路に比べて最大7倍ものコストがかかり、1機が積める量もトラック1台分の10分の1ほどにとどまる。宣伝用のシャッターチャンスにはなるが、搬送手段としては役に立たないと指摘する専門家もいる。地上に届いた物資の分配も難しく、混乱を招くことが多いとされる。