米カンザス州最大学区、黒人・障害ある生徒に差別的な拘束や隔離 司法省調査

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司法省は同様の調査を全米で実施している/Karen Bleier/AFP/Getty Images/FILE

司法省は同様の調査を全米で実施している/Karen Bleier/AFP/Getty Images/FILE

(CNN) 米カンザス州最大のウィチタ公立学区は、同学区の教員が黒人の生徒や障害のある生徒に対して差別的な行動様式を取っていると判断した連邦公民権調査をめぐり、米司法省と和解し、懲罰慣行を見直すことに同意した。米司法省が2日に発表したニュースリリースで明らかになった。

和解合意の一環として同学区は隔離をやめ、拘束慣行を改革し、日常的な懲罰問題に対処する際に生徒を法執行機関に照会しないよう変更を実施するという。

司法省は、同学区の黒人生徒は「同様の行為を行い、同様の経歴と懲罰歴を持つ」白人生徒よりも厳しい処分を受けたと判断した。

同学区が白人生徒よりも黒人生徒に高い割合で懲罰を与えていた最も一般的な違反行為は「反抗」だった。和解の合意文によると、一部の中学校では黒人女子生徒が「反抗と見なされた」ことや服装規定違反を理由に学校から頻繁に不必要に排除されていた。

調査対象期間中、学区の約3000件の拘束と隔離の98%は障害のある生徒を対象としており、少なくとも44人の生徒が20回以上拘束・隔離された。1人の生徒は少なくとも144回拘束・隔離され、そのうち99回は15時間以上に及んだ。

司法省は米国全土の学区に対して同様の調査を行っている。そのうち2021年に完了した調査では、ユタ州デイビス学区の黒人やアジア系の生徒が何年も嫌がらせを受けていたにもかかわらず、当局は保護者や生徒からの苦情を故意に無視していたことが明らかになった。

米教育省公民権局が発表した23年の報告書によると、20~21年の年度中に「約5万2800人のK―12(幼稚園の年長から始まり高等学校を卒業するまでの13年間の教育期間)の生徒が学校で身体的に拘束、機械を使って拘束・隔離された」という。

報告書によると、同年度の入学者に占める黒人生徒の割合は15%だったが、身体的に拘束された生徒の21%、機器や装置を使用して拘束された生徒の42%、隔離された生徒の19%が黒人生徒だった。

男子、黒人、複数人種、障害のある生徒も拘束される確率が高かったという。

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