これまで報じられていなかった一連の暗殺計画は、ロシアの破壊工作の深刻さについて北大西洋条約機構(NATO)から発せられる警告が厳しさを増している理由を説明する助けとなる。一部の高官からは、東欧では工作が一線を越えて武力紛争に発展する恐れもあるとの見方も出ている。
NATO高官は9日、「我々は破壊工作や暗殺の企て、放火を目にしている。人命の喪失につながる事態を目の当たりにしている」とコメント。「我々が目にしているロシアのひそかな破壊活動には戦略的な影響があると確信している」と語った。
米国家安全保障会議(NSC)はロシアの暗殺計画や、米国からドイツへの警告の有無についてコメントを控えた。ただ、NSCのワトソン報道官は声明で、「我々は激しさを増すロシアの転覆工作を深刻に受け止めており、ここ数カ月注視してきた」と説明した。
ドイツ当局者はCNNの報道の詳細についてコメントを控えた。ドイツのベアボック外相は11日、米首都ワシントンで開催されたNATO首脳会議の場で取材に応じ、今回の報道はロシアが欧州の同盟国に対して「ハイブリッドな侵攻戦争を仕掛けている」ことを示すものだと指摘した。
「我々は工場に対する攻撃を目の当たりにした。今回の件は我々欧州の人間が可能な限り自衛する必要があること、油断は禁物だということを改めて浮き彫りにしている」(ベアボック氏)
ドイツ内務省はCNNに寄せた別の声明で、ドイツ政府が「ロシアの脅しにおびえることはない」とコメント。こうした脅しについて、「ロシアの侵攻戦争に対抗するウクライナへのドイツやパートナー国の支援を損なう」根本的な狙いがあると強調した。
ラインメタルの広報担当者はコメントを控えた。