バンス氏、ワルツ氏の軍歴を批判 米副大統領候補の2人は退役軍人

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バンス氏(右)が同じ副大統領候補のワルツ氏の軍歴を批判した/AP/Getty Images

バンス氏(右)が同じ副大統領候補のワルツ氏の軍歴を批判した/AP/Getty Images

(CNN) 米共和党の副大統領候補J・D・バンス上院議員が、民主党の副大統領候補に起用されたティム・ワルツ・ミネソタ州知事の軍歴の説明の仕方への批判を強めている。ワルツ氏が2005年に陸軍州兵を離れて連邦議会選に出馬したことに触れ、イラク従軍から逃げたと根拠を示さず非難した。

バンス氏はまた、ワルツ氏が州兵在籍中に戦闘地域で軍務に就いたという虚偽の主張をしているとも非難した。

ワルツ氏は所属部隊にイラク派遣命令が出る2カ月前に退役しているが、ワルツ氏の軍歴に対する批判は副大統領候補に起用された比較的知名度の低い知事の特徴を説明しようと、両党が躍起になっていることの表れだ。ワルツ氏の24年間の軍歴は有権者へのアピール材料となる経歴の一つで、ハリス陣営はワルツ氏の起用により有権者に訴求したい考え。一方、共和党はワルツ氏を庶民感覚にうといリベラルと評することで、こうしたアピールポイントを削(そ)ごうと試みている。

副大統領候補に起用されたワルツ氏とバンス氏は2人とも退役軍人で、この点は選挙戦を伴走する大統領候補とは異なる。

ワルツ氏は陸軍州兵を24年間務めた後、05年に退役した。この年にミネソタ州第1選挙区から連邦議会選に出馬し、06年11月に当選した。

7日にミシガン州で遊説したバンス氏は、ワルツ氏が06年のイラク派遣前に自らの部隊を捨てたと批判。

自身については「米海兵隊や米国からイラク従軍を要請されたとき、私はそうした。私は名誉ある形で要請に応じた。私はあの時の従軍を心から誇りに思っている」と説明する一方、ワルツ氏は国からイラク従軍を求められると軍を辞め、部隊のイラク行きに同行しなかったと批判した。

ミネソタ州兵によるとワルツ氏は05年5月に陸軍州兵を退役した。通常、軍の要員は退役数カ月前に書類を提出する必要がある。

バンス氏は7日、ワルツ氏が戦闘任務に従事したと主張しているとの批判も展開し、ワルツ氏の軍務に関する主張は「不誠実」だと非難した。「彼は銃規制に関する論点を強調する際、『私が戦争で使用した兵器が米国の街路に存在するべきではない』と述べた」と指摘した。

バンス氏が言及した動画の中で、ワルツ氏は自らの立場を変える決断を下したこと、2018年にフロリダ州パークランドで起きた銃撃事件を受けアサルトウェポン(突撃兵器)禁止を支持するようになったことに触れている。

ミネソタ州兵の報道官によると、ワルツ氏は03年8月、ミネソタ州兵の一員としてイタリアのビチェンツァに派遣された。米国のアフガニスタン戦争を支援する任務の一環だった。アフガニスタンやイラク、戦闘地域に軍務で派遣されたことはない。

一方、バンス氏の軍歴によると、バンス氏は戦闘広報係として4年間海兵隊に従軍。イラクに約6カ月派遣されたこともある。07年に伍長の階級で退役した。

ワルツ氏の軍歴に批判の矛先が向けられるのは初めてではない。ミネソタ州の地元紙によると、共和党の対立候補は2022年、選挙戦終盤で退役軍人と記者会見を開き、ワルツ氏の州兵からの退役を批判していた。

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