2023年の出生率、過去最低に 米
(CNN) 米国では女性の出産が減少しており、2023年の出生率は過去最低の水準だったことがわかった。米疾病対策センター(CDC)が20日に発表したデータで明らかになった。
米国の出生率は過去数十年にわたって減少傾向にあり、特に08年のリーマン・ショック以降は大きく落ち込んだ。21年には上昇したが、これは新型コロナウイルスの余波によるものとみられ、出生率はすぐに減少傾向に戻った。
CDCによれば、23年の出生率は約3パーセントポイント減少した。15~44歳の女性1000人あたりの出生数は約55人で過去最低の水準となった。23年の出生数は360万人弱で、前年比で約6万8000人少なかった。
直近で最も出生率が高かった07年以降、出生数は17%減少した。
オハイオ州立大学の人口問題の研究機関IPRのディレクター、サラ・ヘイフォード氏によれば、米国で出生率が減少傾向にあるのは、何か特定の一つの要因があるというわけではない。社会的あるいは経済的な複数の要因がからんでいる可能性が高いという。
ヘイフォード氏は「一連の人口動態の変化」が出生率の減少傾向と一致していると指摘。変化の例として、晩婚化や結婚しない人の増加、学業に費やす時間や安定した職業に就いて経済的に安定するまでにかかる時間の長期化などを挙げた。
ヘイフォード氏は「人々は子どもを産むのを待っている。平均して、子どもを産むまでに長く待つほど、最終的には産む子どもの人数が少なくなる」と指摘。子どもを持たないことや家族の人数が少ないことについて社会に受け入れられやすくなっており、そのために人々が親になる決断を、より慎重に下すようになったとの見方を示した。
CDCのデータによれば、出産する母親の年齢が高齢化し続けている。出生率は30~34歳の女性で最も高く、このグループの女性は1000人あたり約95人の出生が見込まれる。
CDCによれば、10代の出生率は23年に過去最低の水準に減少した。15~19歳の少女1000人あたりの出生数は約13人だった。