イスラエル、ガザからの軍撤退に同意 米国務長官
ドーハ(CNN) ブリンケン米国務長官は20日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区からのイスラエル国防軍(IDF)の撤退に同意したと述べた。撤退については仲介役がイスラム組織ハマスとの停戦合意に向け先週、提案していた。
ブリンケン氏はカタールを出発する前に記者団に対し、「合意内容ではガザからのイスラエル国防軍撤退の日程と配置が非常に明確になっており、イスラエルはそれに同意した」と語った。
イスラエルのメディアによると、ネタニヤフ首相がテロの被害者や人質の家族らに対し、イスラエルは「圧力がかかっても」エジプトとガザの間の緩衝地帯(通称・フィラデルフィア回廊)とガザ地区を南北に二分するネツァリム回廊から撤退しないとブリンケン氏に伝えたと話した。ネタニヤフ氏はこれらを「戦略的な軍事、政治資産」だと付け加えたという。ブリンケン氏の発言はこの報道に対応したものだ。
ブリンケン氏と他の米国当局者らは、米国らが示した提案の詳細を明かさなかった。停戦協定は3段階に分かれており、最終的にはIDFのガザからの完全撤退も含まれる。しかしイスラエル当局者は、長年密輸に利用されてきたフィラデルフィア回廊をより適切に管理するための解決策を見つけなければならないと繰り返し主張している。
フィラデルフィア回廊の部隊の配置と、パレスチナ人が北部の自宅に帰還できるかどうかという問題は、停戦交渉において特に大きな障害となっている。ハマスは、IDFがガザから完全に撤退し、住民が自宅に帰還できる必要があると主張している。
ブリンケン氏はネタニヤフ氏が会談の際に直接、イスラエルが撤退の「中間的な提案と詳細な計画」に同意すると発言したと述べた。
米政府高官は、撤退しないとするネタニヤフ氏の発言を強く否定。これは「停戦協定に合意することに建設的ではない過激主義的な発言」と反論した。
ブリンケン氏は19日、イスラエルで、今やハマスにも未解決の問題に橋渡しをする最新の提案に同意する責任があると述べた。