金利に対する米大統領の発言権、トランプ氏の主張が後退
(CNN) 米国のトランプ前大統領は21日までに新たなインタビューに応じ、連邦準備制度理事会(FRB)に対する直接的な統制を巡る以前の発言内容を和らげようと試みた。統制の対象には金利の設定も含まれる。
トランプ氏は19日のブルームバーグ通信とのインタビューで、「大統領は間違いなく金利について話ができる。自分でも非常に勘がいいと思っているから」「とはいえ、私に決定権があるという意味ではない。私にもそれについて話す権利が与えられるべきだと言っている。他のあらゆる人々と同じように」と語った。
その上で「大統領が発言するのは構わないと思う」「周りがそれを聞き入れなくてはならないという意味ではない」と付け加えた。
大統領時代のトランプ氏は、FRBに公然と利下げ圧力をかけてきた。これは従来の慣行に反しており、中央銀行の独立を損ねる恐れがある。
今月初めの会見で、トランプ氏は金融政策に対し直接権力を行使しようと試みる考えを示唆。ビジネスの世界で成功した自分には、多くの面で議長を含むFRB関係者よりも金融政策に関する優れた感覚が備わっていると主張していた。
過去にも大統領がFRBの政策について不満を漏らすことはあったが、トランプ氏のように公の場で圧力をかけるやり方は前代未聞だった。FRBは独立した運営組織で、政治的な影響力を受けないと想定されている。
トランプ氏は2017年に自ら任命したパウエルFRB議長について、自身の大統領の任期を通じて金利を動かすタイミングを誤っていたと指摘した。ソーシャルメディアでもパウエル氏に異議を唱える内容を再三投稿している。
ブルームバーグ通信から、大統領に再選した場合誰をFRB議長に任命するのかと問われると、トランプ氏はそれに答えるのは「時期尚早だ」との見方を示した。