米大統領選、無所属ケネディ氏が選挙戦中断 トランプ氏への支持表明
(CNN) 米大統領選に無所属で出馬していたロバート・ケネディ・ジュニア氏は23日、アリゾナ州フェニックスで記者会見を開き、選挙戦を中断してトランプ前大統領を支持すると表明した。
ケネディ氏は「執拗(しつよう)かつ組織的な検閲とメディア統制に直面しており、選挙戦で勝利する現実的な道筋があるとはもはや思えない。ホワイトハウスへの現実的な道のりがあると正直に言えない状況で、スタッフやボランティアに長時間労働を依頼したり、献金者に寄付継続を要請したりすることは良心に照らして出来ない」と述べた。
そのうえで、「トランプ大統領の支持に回る」と表明した。
ケネディ氏は選挙戦を打ち切るわけではないと強調したものの、激戦州の投票用紙から自分の名前を取り下げる考えを明らかにした。
共和党支持州や民主党支持州の有権者は依然として大勢に影響を与えずにケネディ氏に投票できるが、ケネディ氏が他候補の票を奪う「スポイラー(妨害者)」となる可能性がある約10の激戦州では、自身の名前を削除するという。既にこの手続きに着手したとし、有権者に自身に投票しないよう呼び掛けた。
ケネディ氏はまた、2大政党の候補が当選に必要な270票を獲得できなかった場合に臨時選挙が行われれば、自身が大統領になる可能性があるとの認識を示した。
ケネディ氏の副大統領候補、ニコール・シャナハン氏は今回の発表を受けてケネディ氏を称賛。SNSへの投稿でケネディ氏に「子どもたちを救う」よう要請した。
シャナハン氏はフェニックスのイベントには参加しなかったものの、ケネディ氏が立候補したことに感謝の意を示し、陣営の一員になれたことは「私にとって最大級の栄誉」だったと語った。
これに先立ち、ケネディ氏はトランプ氏から政権内の役職を提示され、保健業務を統括する役職となる可能性を示唆されたと明かしていた。
ケネディ氏によると、このオファーはトランプ氏との2度の会談で持ちかけられた。7月に起きたトランプ氏暗殺未遂事件の後に1度目、その数週間後に2度目の会談を持ったという。
ケネディ一家の親族はケネディ氏の選挙戦に批判的で民主党のハリス副大統領を支持しており、ケネディ氏によるトランプ氏への支持表明を非難した。
ケネディ氏のきょうだいのキャスリーン・ケネディ・タウンゼンド、コートニー・ケネディ、ケリー・ケネディ、クリス・ケネディ、ローリー・ケネディ各氏は声明で、トランプ氏への支持表明で「悲しい物語の悲しい幕切れ」を迎えたと指摘した。