イラン、ロシアに短距離弾道ミサイル供与 情報筋

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テヘランで2022年1月に撮影された短距離地対地弾道ミサイル/Morteza Nikoubazl/NurPhoto/Getty Images

テヘランで2022年1月に撮影された短距離地対地弾道ミサイル/Morteza Nikoubazl/NurPhoto/Getty Images

(CNN) イランが最近、ウクライナ戦争に使用する短距離弾道ミサイルをロシアに移送したことが分かった。諜報(ちょうほう)に詳しい情報筋2人が明らかにした。米欧の当局者が1年近くにわたり準備中だと警告していた引き渡しが完了したことになる。

ミサイルの引き渡しが行われた正確な時期は不明。ただ、今回の移送はロシアがウクライナの都市へのミサイル、ドローン(無人機)攻撃を強化し、ウクライナが冬に予想されるエネルギーインフラへの大規模攻撃に備えるタイミングで行われた。ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、ドイツで行われた支援国との会合で、さらなる防空システムが緊急に必要な状況だと訴えた。

イランによるミサイル供与については、米紙ウォールストリート・ジャーナルが最初に報じた。

米国家安全保障会議のサベット報道官はCNNに寄せた声明で、「イランの弾道ミサイルのロシア移送は(ロシアのウクライナ侵攻への)イランの支援が大幅にエスカレートしたことを示す」と説明。「我々はロシアによるウクライナ全面侵攻開始当初から、ロシアとイランの安全保障協力の深化について警告してきた。こうした報道に危機感を覚えている」などと述べた。

弾道ミサイルの供与はイランによるロシア支援が大幅にエスカレートしたことを示す。イランは既にロシアにドローン数百機を供与しており、ロシアはウクライナとの戦争に実戦投入している。ロシアを巡っては、イランの支援で国内にドローン製造施設も建設しているとの情報もある。

イラン国連代表部はCNNへの声明で、弾道ミサイルの引き渡しを否定した。

声明では「ウクライナ紛争に関するイランの立場は変わらない。紛争当事国への軍事支援供与は死傷者の増加やインフラの破壊、停戦交渉の遠ざかりにつながり、非人道的だと考える。従って、イランはそうした行為を控えるだけでなく、他国にも紛争当事国双方への兵器供与をやめるよう求める」としている。

複数の当局者が以前CNNに明かしたところによると、ロシアがイランから短距離弾道ミサイルを調達する交渉を始めたのは昨年9月。当時、ロシアのショイグ国防相はイスラム革命防衛隊の短距離弾道ミサイルシステム「アバビル」を視察するため、イランに飛んでいた。

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