米国務長官、イスラエル軍に「根本的な変更」求める 米国人活動家の殺害受け
(CNN) パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で米国人活動家のアイシェヌール・エイギさん(26)がイスラエル軍に殺害された事件を受け、ブリンケン米国務長官は10日、イスラエル軍の軍事活動に対し「根本的な変更」を求めた。
イスラエル軍は10日、エイギさん殺害をめぐり、エイギさんがイスラエル軍からの発砲により間接的に意図せずに撃たれた可能性が非常に高いと発表していた。
イスラエル軍は初期の調査結果として、発砲についてエイギさんを狙ったものではなく、「暴動」の「主要な扇動者」に向けられたものだと説明していた。発砲が起きた現場の交差点では、パレスチナ人がタイヤを燃やし、イスラエルの治安部隊に対して石を投げていた。イスラエル軍は「扇動者」の氏名は明らかにしていない。
エイギさんがボランティアとして参加していた団体「ISM」によれば、今月6日の抗議活動は平和的なものだった。
ブリンケン氏は訪問先のロンドンで記者団に対し、エイギさんの殺害について、「いわれのない、不当なもの」だとし、ヨルダン川西岸地区でのイスラエル軍の交戦規定を変更するよう求めた。
ブリンケン氏は「誰もが、抗議活動に参加したために撃たれ、殺害されるべきではない。自分の意見を表明しただけで、命が危険にさらされてはならない」と訴えた。
ブリンケン氏はさらに、パレスチナ人に対する過激派の入植者の暴力をイスラエル軍が無視しているという報告や、イスラエル軍がパレスチナ人に対して過剰な武力を行使しているという報告を米国は長い間目にしていると指摘した。
イスラム組織ハマスによる昨年10月の奇襲を受け、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区で軍事作戦を行っているが、ここ数カ月はヨルダン川西岸地区にも暴力が飛び火している。
米国はこの数カ月、パレスチナ人に対して暴力をふるうイスラエル人入植者に対して、一連の制裁を発動している。