米軍、ウクライナ戦争に寄与しうる兵器のリスト作成 空対地ミサイルなど

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ドネツク州の前線でロシア軍の陣地に向けて自走砲を発射するウクライナ軍の兵士/Genya Savilov/AFP/Getty Images via CNN Newsource

ドネツク州の前線でロシア軍の陣地に向けて自走砲を発射するウクライナ軍の兵士/Genya Savilov/AFP/Getty Images via CNN Newsource

(CNN) 米欧州軍のカボリ司令官が、ウクライナの対ロシア戦争に寄与しうる米国の兵器システムのリストをまとめたことが分かった。バイデン米政権がまだ供与していないものが対象となり、空対地ミサイルや北大西洋条約機構(NATO)が使用する安全な通信ネットワークなどが含まれる。

事情に詳しい情報筋によると、カボリ氏は連邦議会に先月提出されたウクライナ戦略に関する機密報告書の添付文書の中で、ウクライナ軍の戦闘をより効果的なものにする助けとなりうる米国兵器のリストを示した。

このリストには空中発射巡航ミサイルの一種である「統合空対地スタンドオフミサイル(JASSM)」や、「リンク16」と呼ばれる通信システムが盛り込まれている。リンク16は米国やNATOが使用するデータ共有ネットワークで、個々の戦闘システム間の通信を円滑化するとされ、特に防空やミサイル防衛の指揮統制に有効となる。事情に詳しい別の情報筋によると、ウクライナはこの二つのシステムを繰り返し要求しているという。

カボリ氏のリストでは、同氏が重要と判断するシステムを米国がこれまで供与していない理由について言及していない。ただ、米当局者の間ではかねて、機密性の高い米国の技術がロシアの手に渡ることを懸念する声が出ており、情報筋の一人によると、リンク16システムの供与が難航しているのはこれが原因である可能性が高い。この情報筋は戦闘機から発射される空対地ミサイルについて、ウクライナが一定の航空優勢を獲得しない限り、ウクライナにとって有用ではない可能性があると言い添えた。

戦争開始から3カ月近くが経つが、ウクライナは依然として米国に先進兵器の供与や、米国から供与された長距離ミサイルシステムの使用制限の解除を要請している。米大統領選まであと1カ月を切り、米国のウクライナ支援の今後は不透明な状況だ。

ウクライナ政府は激しいロビー活動を続けている。ウクライナのゼレンスキー大統領は先月後半、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談した際、詳細なリストを持参した。ただ、事情に詳しい複数の情報筋によると、これは兵器のリストではなく、米供与の長距離ミサイル「ATACMS(アタクムス)」で攻撃することを望むロシア国内の目標をまとめたものだった。

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