米ボーイングと組合の交渉決裂、スト開始から間もなく1カ月
ニューヨーク(CNN) 米航空機大手ボーイングとストライキを行う同社従業員3万3000人を代表する組合は、双方の間の協議が決裂したと発表した。新たな協議の日程は決まっていない。
ボーイング商用機部門のステファニー・ポープ最高経営責任者(CEO)は声明で、連邦政府が仲介した2日間の協議について、依然として双方の立場がかけ離れたものであるとの結論に至ったと述べた。
ポープ氏によれば組合側の要求に交渉の余地は無く、企業としての競争力の維持を念頭に置けば受け入れ可能な範囲を大幅に超えているという。現時点でこれ以上の交渉は無意味であり、自社からの提案は取り下げたと明らかにした。
国際機械工労働組合(IAM)の組合員は9月13日からストに入り、ボーイングの業務は停止に追い込まれている。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の信用アナリストらは8日、ストによってボーイングは1カ月当たり10億ドル(約1490億円)の損失を被ると試算した。
IAMは声明で、組合員の納得する提案を行わなかったボーイングに交渉決裂の責任があると指摘した。ボーイング側は即時の12%の昇給を含む4年間で30%の賃上げを提案していたが、組合員らはこれを受け入れなかった。
現時点で交渉は決裂したが、双方とも協議の再開には意欲を示している。
ボーイングは8日、組合と合意に達し、ストライキに終止符を打てるよう努力していると述べた。
ただ組合側は、2週間前に公表した提案内容の改善に応じなかったとしてボーイングを批判。合意の実現を難しくしたとの見方を示した。