一時保護資格の米国内のハイチ移民、「私に言わせれば不法移民」 トランプ氏
(CNN) 米国のトランプ前大統領は8日、一時保護資格を受けてオハイオ州スプリングフィールドに暮らすハイチからの移民について、「私に言わせれば不法移民だ」との見解を示した。
この発言の前には、現地のハイチ移民への一時保護資格を撤回する意向も表明した。トランプ氏と支持者らはスプリングフィールドのハイチ移民に関して、住民のペットを食べているとの誤った主張を広めている。
州及び地元の当局者らはこうした風評に反発。事実ではなく、地域を破壊するとして非難している。
トランプ氏は米ニュースサイト「ニュースマックス」とのインタビューで、現在スプリングフィールドには3万人の不法移民がいると示唆。入国の際に「あるちょっとした手段」を講じた可能性があるとしながらも「私に言わせれば、彼らは不法移民だ」と述べた。
その上で「彼らは町を破壊している。全てを破壊している。最後には州を破壊してしまうだろう。こんなことを許すわけにはいかない」と主張した。
多くのハイチ人は、バイデン・ハリス政権が実施する臨時入国許可のプログラムの下で米国入りしている。このプログラムで入国が認められるのは、審査を通過し、米国に身元引受人のいる申請者。CNNが以前報じたように、ハイチ移民の多くは一時保護資格を有するため強制送還を免れる。この資格により、一定の期間であれば米国内に居住、就労することも可能となる。
スプリングフィールドが街のウェブサイトに記載したところによると、同市の位置するクラーク郡の人口は約13万6000人で、現在約1万2000~1万5000人の移民が暮らす。ハイチ移民は合法的に居住しているという。
ハイチ人の労働者はスプリングフィールドの経済で重要な役割を果たし、必要不可欠な仕事の枠を埋めていると、同市は指摘する。
オハイオ州のデワイン知事は、移民の大量流入に対してスプリングフィールドが何らかの問題を抱えていることを認める。移民の大半はハイチ人が占める。それでも同知事は先月のインタビューで、そうした問題に取り組んでいると強調。ハイチ移民は地域に「前向きな影響」をもたらしているとの認識を示していた。