ハリス陣営、米南部国境視察を検討 移民問題での支持獲得狙う
(CNN) 11月に行われる米大統領選で民主党候補のハリス副大統領の選挙陣営当局者は、ハリス氏によるメキシコ国境視察の可能性を検討している。27日にアリゾナ州を訪れる際行うとされ、移民問題を巡る支持率で共和党候補のトランプ前大統領との差を埋めたい考えだという。検討内容に詳しい情報筋2人が明らかにした。
移民問題は今回の大統領選での大きな争点となっている。この数年国境危機に苦慮する民主党は、共和党が今年になって超党派の国境対策を阻止したと主張することで形勢の逆転を図る。
ハリス陣営の当局者の一部は、依然として世論調査での差に気をもんでいる。現状ではトランプ氏が移民問題での支持率でリードを保っているが、一方でハリス氏側は国境視察を機にこの差を縮め、現地への訪問が足りないとする共和党からの攻撃を封じたい考えだ。情報筋の一人が明らかにした。
ハリス氏は以前国境を視察した他、国境を含む州の上院議員、司法長官を務めた経歴にも言及している。
情報筋によれば、最終的な決定はまだ下されていない。
CNNはハリス陣営にコメントを求めた。
現状での越境件数は、2020年以来最低の水準となっている。最新の世論調査では激戦州でのトランプ氏のリードを示す結果が出ていた。
難民申請を制限する大統領令の発効後、越境件数は低下しているが、それでもトランプ陣営はバイデン政権による国境の安全対策を攻撃している。
共和党は、メキシコとの国境の管理責任はハリス氏が単独で負っているとの誤った主張を展開。ハリス氏を「国境の皇帝」と呼んでいるが、ハリス氏側はこの称号を払拭(ふっしょく)しようとしている。その姿勢はバイデン氏が移民問題の根本原因の対処に当たるようハリス氏を任命した21年以降続いている。