ガザ攻撃のイスラエル軍、ほぼ全病院の至近距離に2000ポンド爆弾投下 米研究
(CNN) イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区で戦争を始めてからの数週間で、強い破壊力をもつ2000ポンド(約900キロ)爆弾をほぼ全病院の至近距離に投下していたという検証結果が9日、査読付きの学術誌に発表された。
米ハーバード大学などの研究チームが爆発の衝撃でできたクレーターを分析した結果、2023年10月7日から11月17日にかけ、イスラエル軍がガザにある全病院の25%で「殺傷範囲」に2000ポンド爆弾を配備していたことが分かった。
さらに、ガザの36病院のうち83%にあたる30病院では、施設の損壊やけが人が発生する範囲内で、爆弾クレーターが見つかった。
検証結果は学術誌プロス・グローバル・パブリック・ヘルスに発表された。イスラエル軍は今もガザ北部の三つの病院に避難命令を出し、軍事作戦を再開している。ガザ保健省は全ての医療機関の保護を訴えている。
論文を発表したハーバード大学のデータアナリスト、デニス・クニチョフ氏は、病院の至近距離で2000ポンド爆弾が使用されたことについて「米国の供与したツールを使った明らかな国際人道法違反」と指摘した。
同氏は2000ポンド爆弾について、「地面に着弾すると、約1000ポンド(約450キロ)の破片をとてつもないスピードで放つ」「その威力と破片で数百メートル離れた人々を殺し、コンクリートを破壊できる」と話している。
これに対してイスラエル国防軍は、「前例のない努力を行って軍事施設や目標、工作員を正確に攻撃している」と述べ、国際法に従って「民間施設や民間人は標的としていない」と強調した。