「1月6日が楽しみ」、大統領選結果転覆の準備進めるMAGA活動家 トランプ氏落選なら実行か

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米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の元隊員でトランプ氏の同調者と緊密な関係を結ぶ政治工作員のアイバン・ライクリン氏/Brian Snyder/Reuters

米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の元隊員でトランプ氏の同調者と緊密な関係を結ぶ政治工作員のアイバン・ライクリン氏/Brian Snyder/Reuters

根拠なき「盗み」への恐怖

悪意のある勢力がトランプ氏を出し抜いて確実な勝利を奪うとする根拠のない主張は、この数週間でその数を増している。背景にはMAGA運動の主要なメンバーたちからの発信がある。

X(旧ツイッター)に80万人近いフォロワーを持つ右派のジャーナリスト、エメラルド・ロビンソン氏は先月のブログへの投稿で、「票が盗まれる事態が再び起きている」と宣言。州によっては票の集計に数日かかる現状を批判した。「数日かけて選挙結果を出しているのではなく、数日かけて不正を働いている」というのが同氏の見方だ。

20年大統領選の調査に巨額の資金を寄付した米オンライン小売業オーバーストック・ドット・コムの元最高経営責任者(CEO)、パトリック・バーン氏は今週、SNS「テレグラム」への投稿で、サイバー攻撃によって選挙が操作されると警告した。

20年大統領選の後に浮上した虚偽の発想の中には、投票機が民主党に有利な集計結果を出すというものがあった。また激戦州の当局者が広範な選挙不正に加担しているという言説も取り沙汰された。

陰謀論を広めるウェブサイト、ゲートウェイ・パンディットに寄稿するジョー・ホフト氏は今年の大統領選についてCNNに質問され、「前回と同じシステムを使用し、同じ人物を数多く配置している」「手続きに信用が置けない。破綻(はたん)している」と答えた。

トランプ氏自身も支持者が提唱する陰謀論に一部同調し、今年も選挙不正が横行しているとの見解を示唆する。しかし同氏の義理の娘で共和党全国委員会(RNC)の共同委員長を務めるララ・トランプ氏は10月30日、記者団とのやり取りで「米国の選挙は信用できる」と明言。投票手続きに関して、「全国の人々に満足してもらいたい」と述べた。

トランプ陣営の報道官を務めるカロライン・リービット氏はCNNに対し、選挙を守るため陣営とRNCを挙げて積極的に取り組んでいると強調。その上で全米国民に投票を呼び掛け、不正をされても結果が変わらないほどの大差をつけて勝利する意向を示した。

暴力を巡る懸念

政治的な暴力や脅迫の事例は、今年に入って既に複数起きている。トランプ氏が2度の暗殺未遂に遭った他、民主党全国委員会(DNC)の事務所に絡む銃撃事件も発生。選挙当局の元に不審な郵便物が届いたこともあった。

トランプ政権で大統領補佐官(安全保障担当)を務めたマイケル・フリン氏は先週、ある番組で、選挙が公正に行われればトランプ氏が全米50州で勝利すると思うと述べた。しかし勝者が何日も確定しない場合は、人々が集計場所に出向き、暴力沙汰を起こすかもしれないとの懸念を表明。前回大統領選での事態を踏まえ、票集計に対する強い不満が現在も人々の間に存在するからだと示唆した。

国土安全保障省が9月に作成したメモには、一部の過激主義者が既に暴力的な活動を準備しているとの記述もある。過激主義者らはそうした活動を内戦が迫っているとの言説に結びつけ、その結果、政府や思想上敵対する人々に対する暴力の危険性が高まっているという。このメモは監視団体「プロパティー・オブ・ザ・ピープル」が入手し、CNNと共有した。

テレグラム上では、選挙結果の否定にまつわる暴力的な言説が10月中で4倍以上に増加した。そのようなコンテンツを追跡する非営利団体GPAHEが明らかにしている。

ただ20年とは異なり、多くの過激主義団体は自分たちの議論の場を一般のオンラインフォーラムからプライベートチャットへと移した可能性がある。そうすることで大統領選後数日間の計画に関わるとみられるネット上の会話は、他のユーザーの目に入らなくなる。極右の活動を研究する非営利組織IREHRを統括するデビン・バーガート氏はそう分析した。

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