「1月6日が楽しみ」、大統領選結果転覆の準備進めるMAGA活動家 トランプ氏落選なら実行か

トランプ氏落選に備え、選挙結果の転覆を画策するMAGA活動家

(CNN) 米大統領選の投開票日を待たずに、「盗みを止めろ」と銘打たれた運動が再び勢いづいている。この運動には、2020年大統領選でトランプ前大統領が敗れた結果の転覆を図った同じ活動家らが一部参加。再度トランプ氏が落選する場合を想定し、選挙結果を無効化するための手順を逐一策定している。

過去数カ月にわたり、これらの活動家はハリス副大統領の選挙戦勝利を阻止する方策を提示してきた。彼らはかねてトランプ氏の支持者たちに対し、同氏が24年大統領選で敗れるとすればその結果は不正によるものでしかあり得ないとの見方を浸透させている。

具体的にハリス氏の勝利を覆す方策としては、裁判所で選挙結果に異議を申し立てる、連邦議会議員に選挙結果を認証しないよう圧力をかける、抗議行動を盛り上げるといった手段が挙げられる。運動は来年の1月6日、連邦議会が前回と同様選挙結果を認証するその日に最高潮を迎えるとしている。

米陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の元隊員でトランプ氏の同調者と緊密な関係を結ぶ政治工作員のアイバン・ライクリン氏は先月初め、ペンシルベニア州の活動家らに対し「自分には計画と戦略がある」「だからこの後の1月6日は相当楽しみだ」と語っている。

トランプ氏本人とその同調者らは、選挙不正にまつわる虚偽の主張を一段と強く押し出し、ポッドキャストを通じて自分たちの言説を多数の聴衆へ拡散している。教会での説教や、激戦州での選挙集会もそうした活動に利用される。一部のトランプ氏の支持者にはキリスト教ナショナリズムの思想と結びつく聖職者などが含まれるが、こうした支持者らは大統領選を善と悪の戦いと位置づける。そこではハリス氏は反キリスト教であり、トランプ氏は神に選ばれた勝者となる。

4年前、大統領選の結果を覆そうとするトランプ氏の取り組みは失敗に終わったが、実際には選挙の後まで具体的な行動が取られることはなかった。支持者たちは全体的に事前の計画を立てておらず、急いで起こした訴訟には敗北。結果の認証阻止を求めた各州の議員への説得も実を結ばなかった。

しかし今回、MAGA(トランプ氏と支持者らの掲げるスローガン「米国を再び偉大に」の頭文字)の活動家たちは大統領選の相当前から計画を立て、想定し得るハリス氏の勝利を阻もうとしている。一部には州議会議員について、単純に選挙結果を無視し、選挙人票を無条件でトランプ氏に与えるべきだと論じる向きもある。

22年に連邦議会で成立した法律により、大統領選の結果の認証を覆すのは従来より困難になっている。それでも専門家によれば、陰謀論に突き動かされるこうした取り組みは4年前よりも高度に組織化され、一段と強い決意の下で行われているようだ。場合によってはさらに過激化しているようにも映るという。

連邦の法執行機関はこうした状況に警鐘を鳴らす。国土安全保障省と連邦捜査局(FBI)は先月初め、大統領選を巡る過激な言説が人々を刺激し、20年大統領選で起きたような暴力へと向かわせる恐れがあるとの懸念を表明した。

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