シリア駐留米軍、2倍以上に増員 ISISとの戦闘に配備
(CNN) 米国防総省は19日、シリアに現在駐留している米軍の兵力について、これまで公表していた900人の2倍を超す「およそ2000人」と発表した。
国防総省のパトリック・ライダー報道官は同日の記者会見で、外交および作戦上の安全を考慮してそうした数になったと説明。2000人の兵力は全て、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)と戦うためシリアに駐留しているとした。
「今回の増員は作戦条件の変化に応じて配備される一時的な交代兵力とみなされる。これに対し、900人は長期的に配備されている」とライダー報道官は述べている。
同日バイデン政権は、元大使でシリア特使のダニエル・ルービンシュタイン氏を、シリアに関する取り組みを率いる役職に任命した。同氏は数日中に、米代表団に加わってシリアの首都ダマスカスを訪問する見通し。シリアのアサド政権が崩壊して以来、米政府高官がシリアを訪問するのは初めて。
アサド政権崩壊を受けて国際社会がISISの台頭を懸念する中で、米軍はISISとの戦闘に重点を置いている。米当局者は繰り返し、シリアの政権移行に乗じてテロ組織の台頭を許すことがあってはならないと強調していた。
米代表団はシリア暫定政府に対し、人権やテロ対策、化学兵器の廃棄などに関する原則の徹底を促す見通し。
米軍はISISとの戦闘のため、2014年以来シリアに駐留し、クルド人率いるシリア民主軍(SDF)と連携している。