トランプ次期米政権の閣僚人事、審議続く 司法長官候補らが政局の排除を約束
(CNN) 米国のトランプ次期政権の閣僚人事を審議する公聴会が15日、連邦議会上院で行われ、司法長官に指名されたパム・ボンディ氏、国務長官に指名されたマルコ・ルビオ氏、中央情報局(CIA)長官に指名されたジョン・ラトクリフ氏が出席した。審議では全員が、それぞれの職位から政局を排除することを約束した。
民主党議員の間では、大統領に返り咲いたトランプ氏が自身の政敵を追及するとした誓約を実行に移すのではないかとの懸念が浮上している。
司法長官に指名されたボンディ氏は、自らが率いる司法省に政局が影響を及ぼすことを許すつもりはないと繰り返し主張した。一方でバイデン政権下の司法省については、法執行機関を政治利用してトランプ氏を攻撃した責任があると非難。「この省は長年にわたって武器化されてきた。何年も何年もだ。こんなことは止めなくてはならない」と訴えた。
CIA長官に指名されたラトクリフ氏も、「政治的なリトマス試験」を局内に課すつもりはないと明言。また国務長官に指名されたルビオ氏は、北大西洋条約機構(NATO)の重要性を擁護した。トランプ氏はNATOとの同盟の意義について、再三疑問を呈している。
ボンディ氏は司法長官への就任について、「職位を政治化するつもりはない」とし、「所属政党だけを理由に人々を標的にはしない」と約束した。また司法省はホワイトハウスから独立した機関でなくてはならないとの認識も示した。
トランプ氏が収監されるべきと示唆している当局者らを捜査する意図はあるかと問われると、「誰であれ先入観に基づいて判断されることはない」と回答した。トランプ氏が収監を念頭に言及した当局者には、自身を訴追したジャック・スミス元特別検察官やリズ・チェイニー元下院議員らが含まれる。
ボンディ氏はまた、2020年大統領選でのバイデン氏の勝利を受け入れるかどうか問われた。トランプ氏はこの選挙結果の転覆を図り、その後も事実に反する形でバイデン氏の勝利に異議を唱えている。
ボンディ氏はトランプ氏の20年大統領選での敗北を受け入れると答えたものの、「権限の移行は平和的に行われた」と主張した。実際には21年1月6日に連邦議会議事堂襲撃事件が発生し、選挙結果の認証は妨害されていた。