米連邦議会、不法移民の勾留義務づける法案可決 トランプ氏に最初の立法上の勝利
(CNN) 米連邦議会下院は22日、特定の犯罪で訴追された不法移民の勾留を義務づける共和党主導の法案を巡って裁決を行い、賛成263、反対156で可決した。民主党議員46人が賛成票を投じた。
法案の可決はトランプ大統領と共和党議員にとって、初期段階での立法上の勝利を意味する。両者は新たな連邦議会に提出する最初の法案として同法案を選んでいた。
法案は今週に入ってから上院で可決された。今後は大統領の署名により法律として成立する見通し。
トランプ氏はかねて移民の取り締まりを公約の中心課題に掲げてきたが、こうした法案の執行は大きな困難に直面してもいる。連邦当局者らが議員らに対し、既存の人員が不足しているため法執行できない状況にあると警告を発しているからだ。
法案は国土安全保障省に対して、米国へ違法な手段もしくは法的地位のない状態で入国した不法移民が窃盗や強盗といった犯罪で起訴、逮捕、有罪判決を受けていた場合、または罪を認めていた場合に勾留することを義務づける内容。上院では対象となる犯罪の範囲を拡大する修正案も可決され、法執行機関の当局者に対する襲撃や、死亡または重大な負傷をもたらす犯罪が加えられた。
法律は昨年ジョギング中に殺害されたジョージア州の大学生の名にちなみ、レイケン・ライリー法と呼ばれている。ライリーさんを殺害したベネズエラ出身の不法移民は有罪判決を受け、仮釈放無しの終身刑を言い渡された。
移民税関捜査局(ICE)は現在、勾留に使用するベッド4万1500床分の財政支援を受けている。昨年12月の時点で、ICEが勾留した移民は3万9000人以上。新法が執行されれば現在の保有数を大きく上回る11万床のベッドが追加で必要になると、ICEは試算する。