米国際開発局の警備責任者、休職扱いに 政府効率化省によるシステム利用拒み

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国際開発局の警備責任者が休職扱いに

(CNN) 米国際開発局(USAID)のセキュリティー部門責任者2人が1日夜、休職扱いになったことがわかった。イーロン・マスク氏率いる「政府効率化省(DOGE)」の職員が同局のシステムにアクセスするのを拒否しようとしたためだという。複数の情報筋がCNNに明らかにした。責任者らはDOGEの職員が法執行機関に通報すると警告したにもかかわらずアクセスを拒んだという。

情報筋によると、DOGEの職員は首都ワシントンにあるUSAID本部に物理的にアクセスしようとして阻止された。DOGE職員は入室を要求し、入室を認めない場合、連邦保安官局に通報すると警告したという。

DOGE職員は、USAIDのセキュリティーシステムと人事ファイルなどの機密情報へアクセスしようとしていた。機密情報には、権限を有し、特別な必要性がある者のみがアクセスできるとされている。

情報筋は、DOGEの職員は最終的に本部に立ち入ることができたと語った。

この事案は、支出削減を目指すDOGEが連邦政府に対する権限を拡大しようとしている姿勢を示す最新の事例だ。

民主党のジーン・シャヒーン上院議員(ニューハンプシャー州選出)は2日、「適切な権限のない個人がUSAIDの機密スペースや米国市民の個人情報にアクセスした可能性があるという報告は、非常に深刻で前例のないことだ」と述べた。「我々は国家安全保障への影響について速やかな回答を求めており、明日上院が再開したらただちに超党派の上院議員を集めてこの問題について議論する」

トランプ大統領が昨年12月にDOGEへの参画を指名したケイティ・ミラー氏は2日、同省職員が機密情報にアクセスしたことを確認したとみられる。

ミラー氏はX(旧ツイッター)に「適切なセキュリティー権限なしにアクセスした機密資料はない」と反論した。

この事案に関するCNNの報道に対し、マスク氏は2日、「USAIDは犯罪組織だ」と述べた。

マスク氏のこうした非難は、トランプ氏が独立連邦機関であるUSAIDを廃止して国務省に組み入れる考えを持っているとされる報道を裏付けるものだ。トランプ政権の他の高官らも、職員の大半が民主党であるとしてUSAIDをやり玉に挙げている。

1日にUSAIDのウェブサイトは停止し、国務省のウェブサイトに同局の新しいページが表示された。USAIDのXアカウントも同日、停止した。

トランプ氏は先月の就任直後、90日間にわたりすべての対外援助を停止するという包括的な大統領令を発令。広範囲にわたる混乱や解雇、プログラムの停止を引き起こした。

USAIDのセキュリティー責任者と次席責任者は、約60人の同局上級職員とともに休職扱いになっている。一部の援助機関当局者は、この動きが多大な悪影響を及ぼすと主張する。

また、民主党議員は、トランプ氏が議会に諮ることなく一方的に連邦機関を廃止するのは違法だと主張している。

USAIDは1961年にジョン・F・ケネディ政権下で設立された、米政府の人道支援機関。貧困の緩和、病気の治療、飢餓や自然災害への対応のため、世界中で毎年数十億ドルを拠出しているほか、民主主義の構築や発展にも寄与している。

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