トランプ米政権、通信社の取材枠を廃止 AP通信に新たな「攻撃」

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大統領専用機の機内で取材を受けるトランプ大統領=12日/Mandel Ngan/AFP/Getty Images

大統領専用機の機内で取材を受けるトランプ大統領=12日/Mandel Ngan/AFP/Getty Images

(CNN) トランプ米政権は、日々の報道陣のローテーションから「通信社」を排除した。通信社をめぐっては、連邦地裁がAP通信について、取材へのアクセスを回復するよう要請していた。

今回の変更は、今年に入ってトランプ大統領から「メキシコ湾」との名称を使い続けているとして批判を受けたAP通信にとって不利な状況を維持しつつ、法律上の調査も乗り切れるよう意図されているようだ。

最終的にこうした変更の影響は、通信社の顧客に及ぶとみられる。そうした顧客の中には、ホワイトハウスに特派員を派遣していないため事実のみを報道するためにAP通信に頼っている地方の報道機関も含まれる。

AP通信は15日夜、声明で、トランプ政権の行動について、政府の統制や報復を受けずに言論を行う米国の基本的な自由を無視し続けていると指摘。米国民にとって重大な不利益となると訴えた。

今回問題となっているのは、いわゆる「代表取材」の構成で、これは、大統領に同行して報道陣全体を代表してイベントを取材する記者の集まりを指す。大統領執務室での写真撮影や大統領専用機での質疑応答など、大統領主催の多くのイベントは少人数の記者で行われるため、代表取材のローテーションは非常に重要だ。

何十年にもわたり、代表取材の割り当ては、報道機関を代表する独立団体のホワイトハウス記者会によって決められてきた。しかし、今年2月に、ホワイトハウスのレビット報道官が同記者会を排除し、ホワイトハウス側が記者やカメラマンを選別するようになった。

ホワイトハウス当局者は15日、メモのなかで、代表取材の基準を定め、通信社のための枠をなくした。代わりに「活字」の枠が追加され、通信社は「活字」や「新聞」の枠を利用することになる。ただ、実際には、AP通信、ロイター通信、ブルームバーグ通信の3社が毎日取材していた1月と比較して、取材の頻度が大幅に減少することになる。

トランプ政権は2月、AP通信が「メキシコ湾」の表記を「アメリカ湾」に変更しなかったとして、同通信社との争いを始めた。トランプ氏は大統領令を通じて名称を「アメリカ湾」に変更したものの、多くの国々がその名称を承認していない。連邦地裁は先週、大統領執務室のような非公開の場ではあっても、憲法は考え方による差別を禁じているとして、AP通信について他の通信社と同様に扱わなければならないとの判断を下していた。

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