米FDA、石油由来の人工着色料を段階的に廃止 天然着色料4種類を認可へ
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)のマーティ・マカリー長官は22日、石油由来の合成着色料について、健康上の懸念を理由に米国の食品供給網から段階的に排除する計画を発表した。
「過去50年にわたり、米国の子どもたちは合成化学物質の毒にまみれて暮らすようになった」とマカリー長官は述べ、「今や子どもの慢性疾患を蔓延(まんえん)させる成分は一つにとどまらない。石油由来の食品着色料を食品供給から排除することは、米国の子どもたちを健康にする即効薬ではないにしても、重要な第一歩になる」と強調した。
着色料は食品を色鮮やかに見せる目的でキャンディーやシリアル、飲料などに使われることが多く、医薬品に使われることもある。
着色料の排除は業界との対立ではなく、協力を通じて行うとマカリー長官は力説した。
これについて消費財メーカーで作る業界団体は、米国で食品に使われている原材料については厳格な研究を通じて安全性が実証されていると強調。「代替原料の使用を増やす中でも、食品や飲料メーカーが科学や製品の安全性をないがしろにすることはない」と訴えた。
FDAは今年1月、人工着色料の赤色3号を食品や飲料および経口医薬品に使用することを禁じると発表していた。マカリー長官はこの措置について、2027~28年としていた期限を前倒しするよう食品会社に要請していると説明。さらに、食品業界が石油由来の着色料から天然由来の代替品に切り替えるための国家基準とスケジュールを確立するとした。
FDAは合成着色料について、生産されていないものも含めて認可を取り消す手続きを数週間以内に開始する方針。同時に天然着色料4種類を今後数週間で新たに認可して、合成着色料に代わる天然着色料の審査を急ぐとしている。