シリア最大都市で戦闘始まる、今後の攻防占う重大局面に
シリア北部(CNN) 内戦状態にあるシリア北部にある同国の最大都市アレッポで28日、政府軍戦車が反体制派の拠点に砲撃を加えるなどの攻撃を開始した。過去数日間、増強部隊を国内各地から同市に集結させていたアサド政権軍の大規模掃討作戦が始まったとみられる。
アレッポの争奪戦は、アサド政権と反体制派の今後の攻防の行方を占う重要な節目になるとも受け止められている。反体制派も同市での「決戦」に備え、戦闘員を各地から結集させていた。
反体制派の「地域調整委員会」によると、軍離脱の兵士で組織する反体制派「自由シリア軍」がアレッポ市内外で政府軍に応戦している。シリアの地元テレビは同市の3地区で起きた戦闘で「テロリスト」が甚大な被害を受けたと伝えた。
戦闘でどちらが優位に立っているのかは伝えられていないが、反体制派の中核組織「シリア国民評議会」のシーダ議長は滞在先の中東アブダビで記者団に、アサド政権はアレッポで大規模な虐殺を謀っていると非難し、反体制派の支援国などに迅速な行動を起こすよう求めた。同議長は「反体制派は殺人マシンに旧式な武器で立ち向かっている。戦車や航空機を迎え撃つ武器が必要だ」と主張した。
地域調整委員会によると、シリア全土では28日、少なくとも160人の住民らが殺害された。このうちの30人以上はアレッポの住民らとしている。昨年3月に反体制派のデモが開始されて以降、最大規模の戦闘がアレッポ市内の多数の地区で起きているとも述べた。