エボラ感染疑いの囚人が病院から脱走 ウガンダ
ウガンダ・カガディ(CNN) ウガンダでエボラウイルスへの感染が疑われ、病院で治療を受けていた5人の囚人のうちの1人が3日夜、エボラ出血熱が発生している病院から脱走した。ウガンダの衛生当局が明らかにした。
保健省の理事を務めるジャクソン・アムネ医師は「(脱走した囚人の)検査結果が陽性の場合は、深刻な事態となる。そこで残りの囚人4人が逃げないようにベッドに手錠でつなぐことにした」と語った。囚人たちには嘔吐(おうと)、下痢、発熱といったエボラ出血熱の症状が見られるという。
カガディ病院にはこの5人の囚人の他に、エボラウイルスへの感染が疑われる患者が30人おり、さらに2人の患者の感染が確認されているという。感染者は今後増加すると見られ、感染を断ち、感染が疑われる患者にはなるべく他者と接触させないことが重要とカガディ病院の医師は指摘する。
今回エボラウイルスが最初に発生したのはウガンダ西部のキバレで、同地域ではすでに53件の感染が確認されている。これまでに16人が死亡し、さらに感染が疑われる312人の患者が検査のため隔離されている。
米国など他国へのエボラウイルスの拡散が懸念されるが、専門家は現在の大発生が米国に広がる恐れはないと見ている。
米国でのエボラウイルスの唯一の感染例は、輸入された研究用の猿が原因だった(人間の発病はなかった)が、4年前、ウガンダを訪れた2人の旅行者が現地でマールブルグ出血熱に感染した。そのうち1人が帰国後に死亡したが、治療中に適切な感染防止措置が取られたため、他に感染者は出なかった。