反日デモに日本国内で広がる戸惑いの声
両国間の対話の欠如を問題とみる意見もある。フジモリ・アヤさん(26)は「相互の対話が不十分なまま、それぞれ自分たちで結論を出しているからこうなったのでは」と問いかける。
前出のヤマシタさんも、尖閣諸島は「歴史文書に記された証拠がある」という理由で日本の領土だと確信しているとしながらも、今のような争いは「馬鹿馬鹿しい」との考えで、両国が問題の解決に向けて真摯(しんし)に話し合う必要があると訴えた。
フジモリさんはメディアの報道の在り方にも疑問を投げ掛け、「メディアは派手な動きばかりを見せているようだ」「(中国には)反日の人もいれば、そうでない人もいるはず。後者の人の声を聞きたい」と不満を募らせる。
タカギさんは子どもの問いをきっかけに、「中国と日本の過去について私たちが理解していないこともあるかもしれない。だからお互いに分かりあうことができないのでは」と考えるようになった。子どもには「中国の人は悪い人たちではないよ。みんながもっとうまくやれるようになったらいいね」と言い聞かせているという。