古代仏教遺跡、中国企業の鉱山開発で破壊迫る アフガン
(CNN) アフガニスタン中部にある仏像や寺院などの貴重な遺跡が、中国企業による鉱山開発で破壊されようとしているとして、米国の専門家が遺跡の保護を訴えている。
米ノースウェスタン大学教授のブレント・ハフマン教授は、ロガール州にあるメス・アイナク遺跡のことを世界に知ってもらいたいとの思いから、2011年に同遺跡についてのドキュメンタリー映画制作に着手した。
ハフマン氏によると、メス・アイナクは巨大な壁に囲まれた仏教都市で、略奪や旧支配勢力タリバーンによる破壊を免れ、幾つもの巨大な寺院や数千体もの仏像が残っている。古代都市を見下ろす巨大な仏像の多くは金箔で覆われ、見る者を圧倒する。同地はシルクロードの重要な町として、かつてはアジアの貿易や巡礼の拠点でもあったという。
日常生活について記した未発掘の写本も大量に存在するほか、仏教建築の下には青銅器時代の遺跡が眠っているとみられることも、ここ数年の考古学調査で判明した。
しかし同地は07年に行われた入札で、中国国有の資源大手、中国冶金科工集団(MCC)が30億ドル(約2300億円)で30年間のリース権を獲得。12年12月末から開始される銅山開発により、メス・アイナクの遺跡は寺院や仏像なども含めて破壊されるという。
ユネスコの世界遺産として保護されている南米ペルーのマチュピチュ遺跡とは異なり、2600年前にさかのぼる歴史を持つ同地域には危機が迫っている。