古代仏教遺跡、中国企業の鉱山開発で破壊迫る アフガン

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遺跡で見つかった黄金の板で作られたブッダの頭像=ブレント・ハフマン教授提供

遺跡で見つかった黄金の板で作られたブッダの頭像=ブレント・ハフマン教授提供

MCCは1000億ドル相当の銅を産出する計画で、契約を締結するまで遺跡の存在は知らなかったと説明。国際社会からの圧力を受けて09年に、発掘のため3年間の猶予期間を設けると表明したが、専門家によれば、すべてを発掘しようとすれば30年はかかる見通しだ。

残された時間はあと4カ月を切り、地元の考古学者や各国の専門家が遺跡の発掘や保護活動に当たっているが、発掘作業中に地雷が爆発したりするなど、身の危険にさらされる日々が続く。

メス・アイナク遺跡に魅了されたというハフマン氏は、「バーミヤンの仏教遺跡が破壊されたのと同様に、間もなくこの遺跡も破壊されると考えると、ひどく心が痛む。これは文化にも宗教にも一切の敬意を払わない冒とくだ」と批判。MCCも世界銀行もアフガニスタン政府も、できるだけ早く鉱山開発に着手することばかり望んでいると嘆く。

さらに同氏は、腐敗が蔓延(まんえん)しているアフガニスタンで鉱山開発によって利益を手にするのはほんの一握りの特権階級のみであり、国民が得るものは何もないと指摘。開発を阻止するための手を打たない限り、メス・アイナクは壮大な遺跡が根こそぎ破壊され、巨大な穴だらけの有害物質にまみれた地になってしまうと訴えている。

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