薄熙来氏の党籍を剥奪 「重大な過ち」犯した 中国共産党
(CNN) 薄熙来(ポーシーライ)前重慶市党委書記が中国共産党の党籍をはく奪され、すべての公職から解任された。国営新華社通信が28日に伝えた。
薄氏はかつて、中国共産党の最高指導部である政治局常務委員の有力候補と見られていたが、汚職、職権乱用、女性との不適切な性的関係が報じられ、候補から外れた。
薄氏は、重慶市で共産主義の促進と組織犯罪の撲滅を目指す「打黒唱紅(黒を打ち、赤を歌う)」運動を開始。さらに社会福祉を充実させるなどの経済政策で、高い支持を集めていたが、今年、薄氏の妻、谷開来氏の殺人事件の共犯容疑が報じられると風向きが一変する。
4月に谷氏と薄家の使用人が英国人実業家ニール・ヘイウッド氏を毒殺した容疑で逮捕され、その直後に、薄氏は「重大な規律違反」を理由に重慶市のトップを解任された。谷氏は8月に殺人罪で執行猶予付きの死刑判決を言い渡され、その数日後に重慶市の警官4人が事件の隠ぺいを図ったとして懲役刑が言い渡された。
また薄氏の元側近で重慶市の元公安局長の王立軍氏が、今年2月に成都にある米領事館に駆け込んだ。王氏は米国の外交官に谷氏が殺人事件の共犯であることを告げ、亡命を求めたが却下され、中国当局に連行された。王氏も今週、亡命、収賄、権力乱用などの罪で懲役15年の実刑判決が言い渡されている。
共産党は、薄氏が英国人実業家の殺害などで「重大な過ち」を犯したと指摘。また党中央規律検査委員会も、調査の過程で薄氏の利益誘導、収賄、女性問題など新たな事実が浮上したとしている。また新華社は「薄氏は複数の女性と不適切な性的関係を続けていた」と報じている。