イランがシリアの化学兵器支援、ヒズボラの入手も容易か
(CNN) 内戦状態にあるシリアが保有する化学兵器の問題で、同国軍の元少将は29日までに、同盟国であるイランの技術者が化学兵器の開発を支援していると述べた。CNNに明らかにしたもので、元少将はシリア軍で化学兵器部門の幹部を務めていたとしている。
シリアの化学兵器については国内の戦闘激化で管理や移動、使用への懸念が強まっているが、アドナン・シルル元少将はアサド政権がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへ化学兵器を引き渡すことは容易だとも強調した。ヒズボラは2006年、イスラエルと交戦している。シリアとイランはヒズボラに資金や武器援助しているともされる。
シルル元少将は反体制派に転じてトルコに逃れ、CNNとの電話会見に応じた。元少将はこの中で、シリア北部アレッポ市近くのアルサフィールに化学兵器開発の施設があり、シリアとイランが共同研究を実施していると聞いたことがあると指摘。アレッポ市にはスカッドミサイルの基地やトンネルがあるとも述べた。
シリアの化学兵器の多くは毒ガスを用いたもので、この開発関連施設ではサリンやマスタードガス、神経ガスを用いた手りゅう弾の実験が行われていると明らかにした。また、首都ダマスカスから南西に離れた地点には化学兵器大隊の本部があるとも証言。大隊の司令官は過去にイランや北朝鮮を複数回訪れ、毒性物質に対する防護服や化学関連機器を購入したとしている。