フジモリ元大統領の恩赦を申請、健康状態が悪化 ペルー
ペルー・リマ(CNN) ペルーで服役中のアルベルト・フジモリ元大統領(74)の健康状態が悪化しているとして、家族が10日、釈放を求めて司法省に恩赦を申請した。
フジモリ元大統領は贈収賄や人権侵害などの罪で禁錮25年を言い渡されて服役中。国営通信によると、舌の腫瘍(しゅよう)が再発して9月19日に手術を受け、9日後に傷口が悪化して再入院した。
娘のケイコ・フジモリ氏は国営通信の取材に対し、健康状態を理由に恩赦を申請したと説明。元大統領は口腔がんで、このまま服役していては助からないと家族は訴えている。
司法当局者は「フジモリ氏が服役している状況が、健康状態に影響を及ぼすかどうかについて検討しなければならない」としながらも、「(影響を及ぼすとは)思えない」と付け加えた。
恩赦を認めるかどうかの最終判断は、昨年の大統領選挙でケイコ氏を破ったウマラ大統領に委ねられる。
申請に対しては反発の声も根強く、人権活動家などは、もし恩赦を認めれば、被害者を侮辱することになると主張している。
フジモリ元大統領は1990年に大統領に就任し、3期目の2000年に辞任。テロ撲滅や経済対策などの分野で功績を残したが、多数の市民を殺害したとされる作戦を許可したとして、09年に禁錮25年を言い渡された。