メルケル独首相がギリシャ訪問 緊縮策に数万人が抗議デモ
アテネ(CNN) ドイツのメルケル首相が9日にギリシャを訪問し、同国との緊密な関係をアピールした。首都アテネ中心部には警察の推計で約2万5000人が集結し、メルケル首相に対する抗議デモを展開している。
ギリシャでは、欧州連合(EU)が同国に求めている緊縮策はメルケル首相が主導しており、そのために大量の失業者が出ていると反発する声が強まっている。メルケル首相のギリシャ訪問は数年ぶり。アテネ市内は警備が強化され、一部地域では抗議集会が禁止された。
ギリシャのサマラス首相と共同会見したメルケル首相は、ギリシャはドイツのパートナーであり友人だと強調。現在は「非常に困難な段階」にあって多くの人が苦しんでいるが、財政赤字削減と改革の実行では進展があり、「既に多くの部分が達成された」と指摘、「ドイツとギリシャはこれからも緊密に連携していく」と表明した。
サマラス首相も両国の緊密な関係を確認するとともに、ギリシャの財政破綻(はたん)とユーロ圏離脱を予想する見方が誤りであることを示す必要があると訴えた。