ケニア議会、選挙にらみ議員「退職金」の法案可決 国民反発

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(CNN) アフリカ東部ケニアの議会(224議席)は14日までに、議員の「退職金」として1人当たり約12万米ドル(約936万円)を支給する条項を盛り込んだ財政関連法案を可決した。同国では来年3月、議会選挙が予定されている。

法案はソーシャルメディアなどを通じて国民の反発を招き、首都ナイロビの議事堂前では抗議デモが発生。「強欲なハイエナ」と書かれたプラカードを掲げたり、議事堂内に急ぐ議員に「泥棒」などの罵倒(ばとう)を浴びせたりした。

キバキ大統領は国民の怒りに応じる形で、法案への拒否権を表明。大統領府が出した声明で、憲法に反するものであり、現在の経済状況を考えればその余裕はないと述べた。人権団体によると、同国憲法では議会に議員の報酬額を定める権限を与えていない。

オディンガ首相や来年の大統領選で立候補を狙う議員の一部も法案に反対した。

議員の退職金の財源などは明らかになっていない。議会は会期の審議で10%の増税も求めていた。同国では最近、教師や医師による賃上げストが長期化していたが、政府は財源不足を理由に難色を示していた。

ケニア議員の月給は約1万ドルで免税の手当も毎月支給され、議員の報酬額としてはアフリカ大陸では最高水準。一方、平均的なケニア人の年収は約1800ドルとなっている。

同国では2007年に大統領選と議会総選挙が実施され、開票結果をめぐって部族間の権力闘争に伴う衝突が激化し、数百人が死亡する騒乱となっていた。ケニアでは政財界などの根強い汚職体質も問題になっている。

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