エア・カナダ機が遭難ヨットを発見、乗客も協力 豪州
(CNN) 乗客270人を乗せてカナダからオーストラリアに向かっていたエア・カナダの旅客機がこのほど、遭難したヨットの捜索を依頼され、乗客乗員の協力を得て、海上を漂流していたヨットを無事発見したという出来事があった。
エア・カナダ033便(ボーイング777型機)は16日、14時間の飛行を終え、オーストラリアに着陸する準備に入っていた。そこへオーストラリアの海上保安当局から機長に連絡が入り、遭難したヨットの捜索に協力を要請されたという。
ヨットは2週間前にシドニーを出港後、嵐に遭ってマストが折れ、燃料も底を尽いて、9日間にわたって漂流していた。乗っていたグレン・アイさんは、「最初は自力でシドニーに戻れると思っていたが、自分の正確な位置も分からなくなって、救難信号を発信した」と話す。
エア・カナダ機は進路を変更して高度3万7000フィート(約11キロ)から4000フィートに降下。機長は乗客と乗員に、窓から眼下の海上に目をこらして、ヨットを探して欲しいと呼びかけた。
「何かが見える」という声が上がったのは、同機が右に旋回した直後だった。機内は熱狂に包まれたという。アイさんが救難信号を発してからエア・カナダ機に発見されるまでに、わずか25分しかかかっていなかった。
ヨットはその後、商船に助けられ、ニューサウスウェールズ州の水上警察が17日に現場の海域に到着して無事救助された。