ガザ住民の栄養失調防ぐカロリー計算、イスラエルの経済封鎖
(CNN) イスラエルが2007~10年にパレスチナ自治区ガザに対して実施した経済封鎖で、イスラエル軍がガザ住民が「栄養失調」となる事態を避けられる程度までの摂取カロリーの量を計算し食糧搬入の規制などを計画していたことが18日までにわかった。
イスラエルは07年、イスラエル国家の存在を認めないイスラム組織ハマスがガザの実効支配を実現させた後、同地区に運び込まれる物資の大幅規制に踏み切っていた。ただ、10年には食糧輸送の規制を緩和している。
パレスチナ自治区などでの政府活動を調整するイスラエル当局者は、このカロリー摂取量に関する報告書作成はあくまで草案であり、実行には移されなかったとしている。
報告書は裁判所の命令で公開されたもので、イスラエルの人権団体「ギシャ」は2種類の内容の報告書を入手。報告書は、1日当たり106台のトラックでガザ住民が必要とする食糧、医薬品、衛生関連備品や農産物を運び入れることが可能などと結論付けていた。
同団体によると、07年6月以前にガザに入っていたトラックは400台以上だった。106台のトラック輸送は当時のマタン・ビルナイ国防次官が承認したものとしている。
ギシャの幹部は、イスラエルはガザ住民が入手出来る食料の量と種類を統制することによってガザの民間生活を支配しようとしたと批判している。
イスラエルや米国、欧州連合(EU)はハマスをテロ組織と指定。イスラエルはガザに入る物資がイスラエル領を攻撃する武器の材料などに転用されることを懸念している。