トルコ建国記念日 野党が禁止令無視し集会、警官隊と衝突
イスタンブール(CNN) トルコの共和国建国89周年に当たる祝日「共和国の日」の29日、首都アンカラで野党勢力が当局の禁止令を無視する形で集会を開き、警官隊と衝突した。
アンカラの知事は共和国の日を前に、世俗派の野党陣営が計画していたデモの禁止令を出していた。同国の世俗派は、イスラム色の強い与党に対する批判を強めており、禁止令にかかわらず集会を強行すると表明。最大野党、共和人民党(CHP)のクルチダルオール党首も、政府主催の軍事パレードをボイコットして集会に参加した。
この日は政府主催の記念式典も開かれ、観覧席に座ったギュル大統領とエルドアン首相が、警察や児童生徒、兵士らが参加する軍事パレードを見守った。
一方、共和国を建国した初代大統領ケマル・アタチュルクの銅像前では、クルチダルオール党首が数千人の支持者を前に演説した。
現場からのテレビ中継には、警官隊が集会の参加者に向けて放水する場面や、参加者が放水を浴びてずぶ濡れになりながらトルコ国旗を振る場面も映し出された。活動家らは、警察が催涙弾も発射したと話している。
トルコは公正発展党(AKP)が議会選挙で勝利してエルドアン政権が誕生して以来の10年間で、目覚ましい経済成長を遂げてきた。
一方で、メディアに対する取り締まり強化やクルド人の処遇などをめぐって、人権団体や言論の自由の尊重を訴える団体などは政権批判を強めている。