シリア政府軍、クラスター爆弾など使用か 反体制派主張
(CNN) シリアの反体制派「地域調整委員会」は4日までに、アサド政権軍が反政府派の攻撃にサーモバリック爆弾やクラスター(集束)爆弾など殺傷能力が極めて高い爆弾を新たに使用していると非難した。
シリア政府はこの主張に対してコメントを発表していない。シリア政府は外国メディアによる国内取材を規制しており、クラスター爆弾などの使用の真偽の確認は困難となっている。
クラスター爆弾は広範囲に小型爆弾をまき散らす性能を持ち、サーモバリック爆弾は標的近くに投下された場合、広範囲に爆風と高熱などをもたらす気体爆弾の1種とされ、都市部の攻撃に有効といわれる。クラスター爆弾に関しては廃絶を目指す国際的な運動が続けられている。
地域調整委員会はまた、シリア全土での戦闘などによる死者は3日だけで少なくとも162人に達したと報告した。首都ダマスカスや近郊で52人、北西部イドリブ県で47人などとなっている。
シリア北部の反体制派活動家はCNNに、反政府軍がイドリブ県にあるタフタナズ軍空港を包囲する作戦を開始したと述べた。アサド政権軍が拡大させる空爆を封じる狙いがある。同空港内には政府軍兵士約200人が駐留しているとみられる。
政府系メディアは反体制派によるタフタナズ空港への攻撃は認めたものの、「多数のテロリスト」を殺害し、撃退したと報じた。国営シリア・アラブ通信(SANA)はこの戦闘で反体制派の兵器と車両を破壊したとも伝えた。