少女の首に「爆弾」を付け脅した男、13年半の禁錮刑 豪
香港(CNN) オーストラリアのシドニー近郊で民家に押し入り、少女の首に爆弾のような物を巻き付けて脅したとして逮捕された男に、同市の地裁は20日、禁錮13年6カ月、最低10年は仮釈放なしとの刑を言い渡した。
刑を言い渡されたのは、ポール・ダグラス・ピーターズ被告(52)。昨年8月、目出し帽をかぶって野球のバットを手にマデレーン・プルバーさん(当時18)の自宅に侵入した。自室で勉強していたマデレーンさんの首に、黒い箱をつないだ自転車用ロックを巻き付けて立ち去った。
添えられていたメモに「箱の中に強力なプラスチック爆弾を仕掛けた」と書いてあったため、マデレーンさんはパニック状態に陥った。知らせを受けて駆けつけた警察の調べで爆発物が入っていないことが判明するまでに9時間、取り外しが完了するまでに10時間かかったという。ピーターズ被告は犯行の数日後に逃亡先の米国で逮捕され、オーストラリアに送還された。
マデレーンさんは同日、法廷の前で「きょうの結果に満足している」と話した。
法廷文書によると、ピーターズ被告は香港出身。優秀な成績で大学を卒業、仕事でも成功していた。妻子とともに渡米し、米企業で幹部に昇進したが、6年前に妻が離婚を申し立てた。被告は傷心を抱いてオーストラリアに移り、小説を書き始めたという。
検察が事件を「都市型テロ」と位置づけたのに対し、本人は執筆中の復しゅう小説と現実を混同して犯行に及んだと述べた。判事はこの主張を退け、金を脅し取るのが目的だったとの見解を示した。