金正日総書記の一周忌で式典 正恩氏の1年を振り返る
韓国・延世大学のジョン・デラリー助教は、金日成主席の死後数年間は儒教思想に従い控えめな立場を守った正日氏に対し、正恩氏は積極的に公の場に登場していると指摘する。
今年4月には、総書記が何年も前から準備を進めていた主席の生誕100周年がやってきた。正恩氏はこれに合わせてロケット発射を強行。長距離弾道ミサイルの発射実験だとする国際社会の非難を無視し、人工衛星の打ち上げだと主張する姿勢は、正日氏と共通していた。
発射は失敗に終わったが、正恩氏は100周年の祝賀行事を続け、就任後初の演説も行った。同氏の肉声が北朝鮮内外に初めて伝えられた。
市民と交流したり笑顔を見せたりする場面も多く、訪問先に夫人が同行するなど、正日氏の時代にはみられなかったソフトな側面を印象付けてきた。ただ一方で、市民の困窮ぶりに変わりはないとされる。国際支援団体などによれば、栄養失調や強制収容所、脱出を図る者への厳しい処罰など、市民は依然として厳しい現実に直面している。