インド強姦事件で重体の被害者、治療のためシンガポールへ移送
ニューデリー(CNN) インドの首都ニューデリーで起きた集団強姦(ごうかん)事件で重体となっている被害者の女性(23)は27日朝、治療を受けるために移送先のシンガポールに到着した。
移送先のマウント・エリザベス病院のケルビン・ロー最高経営責任者(CEO)は「患者の容体は非常に危険な状態が続いている。シンガポールに来る前に、患者は腹部の手術を3回受け、心停止も起こしている」と説明。さまざまな分野の専門家からなるチームが治療に当たっており、「容体を安定させるためにできる限りの手を尽くしている」と述べた。
事件は16日、ニューデリーを走るバスの中で起きた。被害者の女性はこれまで、ニューデリーの病院の集中治療室で治療を受けていた。
ニューデリーでは27日、政府の対応に抗議するデモが再び発生。参加者のほとんどは学生だったが、中高年の女性の姿もあった。だが市中心部へのデモ行進は警察によって阻止された。
デモ隊は強姦事件の裁判の迅速化や性犯罪の罰則強化の法制化に向けた国会の召集を求めるプラカードを掲げていた。また横断幕には「対応もしくは辞職を」「今こそ女性に正義を」といったメッセージが書かれていた。
「デリーやインド各地で大規模なデモが行われているのに、政府は形式的で中身のない約束をするばかりだ」と、あるデモ参加者の学生は語った。「デモ隊を排除するという対応は封建的だ」
内閣は性犯罪の問題や女性の安全を守るための方策を検討する委員会を設立する予定。3カ月かけて報告書を出すという。