ロシア議会、米国への養子禁止の法案可決 人権批判に対抗
(CNN) ロシア上院は26日、米国人がロシア人の子どもを養子にすることを禁止する法案を可決した。ロシア通信が報じた。下院も先週可決しており、プーチン大統領が署名すれば成立するが、両国関係の新たな摩擦要因になる可能性がある。
米国人による国際養子縁組でロシア人の子どもが占める割合は中国に次いで多く、禁止法案が発効すれば養子を考える数百世帯の米国人家庭が影響を受ける可能性がある。
今回の法案は、米議会が最近可決した、人権侵害に関与したロシア当局者の米国への渡航や金融取引での規制を盛り込んだ法律への報復措置と受け止められている。オバマ大統領は今月14日、獄中死したロシア人弁護士の名前にちなむ「マグニツキー法」に署名していた。同弁護士は、ロシア政府当局者による巨額の脱税疑惑を告発して逮捕されていた。
米国務省のベントレル報道官は、ロシア下院が法案を可決させた後、両国間の養子縁組の交流が途絶えることへの懸念を表明していた。同報道官によると、米国人家庭が養子として迎え入れたロシア人子どもの数は過去20年で6万人以上。
ロシア通信によると、ロシア上院が可決した法案には人権を侵害した米当局者への制裁も盛り込まれた。また、米国から資金援助を受けた非政府機関(NGO)がロシアの国益を損ねる政治的活動に関与することを禁じる内容も含まれた。