エジプト大統領「自由憲法を手にした」 新憲法が施行
(CNN) エジプトの新憲法が26日、ムルシ大統領の署名で施行された。ムルシ大統領は、民主的な手順によって新憲法が承認されたと評価する一方、反対派によるデモの激化を批判した。
ムルシ大統領は憲法の施行に当たり、「エジプトとエジプト国民は、国王に発布されたものでも、大統領に強要されたものでも、占領者に命じられたものでもない自由憲法を手にした」と宣言した。
新憲法はこれに先立ち行われた国民投票で承認された。選挙管理委員会の集計によると、2回に分けて行われた投票で賛成票は1000万票強(63.8%)を占め、反対票約600万票(36.2%)のほぼ2倍に上った。
ムルシ大統領は、国民投票実施を前に反対派の抗議デモが激化したことにも触れ、「残念ながら一部には、平和的に意見を表明する権利と、暴力に訴えて国家機関をまひさせ、市民を恐怖に陥れることによって自分の意見を押しつけようとすることとの違いを分かっていない者もいた」と批判した。
大統領はさらに、「国民によって承認された憲法では、誰もが平等であり差別は存在しない。エジプトの国土に住む誰もが人としての尊厳を重んじられる」と述べ、「反対した人にも、賛成した人にも感謝したい。我々は、『意見は1つのみ』の時代、あるいは多数意見がでっち上げられた時代に後戻りすることは望まない」と力を込めた。